音マップができるまで(調査方法/当日の様子)


【調査方法】

・調査地点について
 調査地点はディズニーランドのエリアを8カ所に分け、そのエリアごとに8地点ずつ調査を行うこととし、計64地点で音の調査を行いました。 このように調査地点が多い理由は、調査地点を選ぶ際に「変わった音が取れそう」といった恣意的な判断になってしまうことを防ぐ為に、なるべく多くの箇所を調査し、 この地点数となりました。また、エリアごとに全員で順番に調査をしていくのではなく、エリアごとに担当者を決め、全エリアを同時に調査していきました。 今回は録音することが第一の目的であるため報告書には録音した時間帯は載せていません。地点決めのポイントとして、エリアの境界、アトラクションの付近、 ディズニーランドの外側の最端地、キャストが行き来する門前などがいいのではないか、と思い目星をつけ、当日の午前中に全員で園内を周り調査地点を決めました。

・記録方法について
記録を担当するチームは2人1チームで2エリアずつ担当し、計4グループです。この2人のうち、どちらか1人はディズニーランドに比較的土地勘がある人にしました。 調査時間は、1地点につき15分間で1人がスマートフォン端末の“ボイスレコーダーで音の記録”“音の発生源を写真に収める”“記録用紙左の記入”をする作業をします。 もう1人は、実際に自分の“耳で聞こえた音を記録用紙右に記入”(写真1)を行います。

【事前練習】

 私たちはディズニーランドで音マップの調査をする上で、練習の場として“品川駅構内”と“東京ドームシティアトラクションズ”の2箇所で行いました。

・品川駅
 1回目は2人1組計3組になり品川駅の調査場所を2箇所ずつ定点で調査を行い、1組は移動しながら調査しました。 調査時間は1箇所に付き30分を設けおよそ1時間で事前調査を終えました。移動しながら周囲の音を記録する方法では定まった音が録れなかったため、 「どの場所を歩いている時にこの音が聞こえたのか」がわかりづらく、音の調査は定点形式で統一する事にしました。

・東京ドームシティアトラクションズ
 2回目の音マップの調査では、JR水道橋駅の近くにある「東京ドームシティアトラクションズ」という場で調査を行いました。 ここでも前回同様3組に分かれ、調査時間は1箇所に付き30分、エリア毎にわかれている入り口と出口の境目を目安に定点調査を行いました。 ここを選んだ目的は「東京ディズニーランド」のようにエリアのわかれた遊園地施設であるからです。東京ドームシティアトラクションズの「外部の音」、 つまり車の走る音や飛行機の音などの音がどの程度聞こえるのか(遮断されているのか)を確認しながら記録していきました。 今回の調査では私たちが想像していた以上に「外部の音」が聞こえ、ディズニーランドのように「外部」を遮断することにあまり拘りがないのではと考えました。

【事前課題】

 また、私たちはディズニーランドの調査を行う上で、事前にディズニーランドがどのような場所で、 どのようにしてつくられたのかなど歴史的背景を知っておく必要があると考え、能登路雅子さんの『ディズニーランドという聖地(岩波新書、1990年)』 の講読を各自で行いました。
また、音マップを作る上で何を目的としてどのように音を録るべきかを考えるための資料として、サウンドスケープに関する資料集めを行いました。
サウンドスケープとは私たちが聞く音の世界のことで、そこでは音楽や言語などの「人為・人口の音」や虫や鳥、動物等の生物の音などの「自然の音」などにわかれます。 さらに「静けさ」や「賑わい」といった音環境の特定の状態も調査する上で考慮に入れる必要があるということがわかりました。

【当日の様子】

天気予報ではくもりの予定でしたが、当日は晴れていて暑さを感じるほどでした。混雑状況は、比較的すいている方だったと思います。 午前中は、調査地点を決めるために、全員で園内を一周しました。その後、お昼ごはんをトゥモローランドのプラザレストランで食べ、 (写真2)午後から班ごとに分かれて、担当の地点を夕方まで調査を行いました。(写真3)


(写真1)
(写真2)
(写真3)