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2014.11.20
vol. 4 じぶんの力で「変身」する  3/3

しおりん


 

 じぶんの力で「変身」する

 私はじぶんから積極的に行動することが苦手だ。

 今年のはじめにとあるアーティストのディナーショーへ足を運んでみた。もちろんはじめての体験だ。

 平日の開催でチケットも高価であったので同行者を探すのは断念して、ひとりで参加した。会場には、ライブのためのステージと円形のテーブルがいくつかあり、チケットに記載された番号と同じ番号の書かれたテーブルへ案内された。同じテーブルに座るのは6、7人ほど、もちろん初対面の人ばかりだ。先に挙げた理由もあってか私のような一人での参加者が多かったようで、食事が始まる前まではみな探り探りで会話がほとんどなかった。しかし、料理が運ばれてきた途端「これもう食べていいんですよね?」「このソースつけて食べると美味しいですよ」といった会話がはじまり、どうしてこのディナーショーに参加したのか、どこからきたのか、ほかにどんなアーティストに興味があるのかといったことを、テーブルを囲んで一人ひとりが話すようになった。料理と一緒に振舞われたシャンパンの効果もあったのかもしれない。残念なことにその日中に帰らなければならなかったので長くその場にいられなかったが、とても意義のある時間をすごすことができたのではないかと思う。

 いまの私の仕事は事務職だ。あらかじめ決められたやり方に沿って、与えられた仕事をするだけで一日が終わってしまうこともある。また従業員が多く、個人プレイが成立してしまうので、仕事以外で会話をすることがほとんどない。そうしているうちに、仕事にも対人関係にも積極的になろうとする姿勢を失ってしまっていることに気がついた。

 さいわいなことに私はお酒が好きで、お酒に強い体質だ。仲の良い友人どうしで行く飲み会はもちろん、会社の同期や忘年会には積極的に参加するようにしている。飲み会は普段あまり話すことのない人と話をすることができる機会でもある。まだまだ思うようにいかないことのほうが多いが、お酒の力を借りながら、会社の飲み会ではじぶんから話しかけに行くことを心がけている。

 限られた私の一日一日を「つまらない」「退屈な」ものにしないためにも、じぶんが積極的になれそうなことから少しずつ、じぶん自身の力で「変身」する努力をしていきたいとおもう。


おしまい     

じぶんの力で「変身」する
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