ゲストがはじめに訪れるのが「ディズニーシー・プラザ」である。チケットをかざしゲートを抜けると、目の前には大きな地球儀を模したモニュメント「ディズニーシー・アクアスフィア(以下「アクアスフィア」)」[写真①]がそびえ立つ。東京ディズニーシーのシンボルだ。「アクアスフィア」からは上から下へと水が常時噴き出ており、“ザーーーーーーー”という流水音がする。たまに“ドシュン、ドシュン”水が吹き上がる大きな音がするのだが、調査時は鳴らなかった。「アクアスフィア」に近づくにつれ“ザーーーーー”という流水音[0:30]はどんどんと大きくなる。また、この日は風が強かったため、しばしば“ゴオオッ”と風の音が聞こえる。
今度は「アクアスフィア」を背にして、「プラザステージ」[写真③]に向かって歩いてみる。流水音は小さくなり、「プラザステージ」に設置されている2つのスピーカーからトランペットの目立つBGMがよく聞こえる。ここでは定期的に「アトモスフィア」というショーが行われるそうだが、調査時には何もなかった。 「プラザステージ」を離れ、「アクアスフィア」を中心に反時計回りに「ディズニーシー・プラザ」をぐるりと半周ほどしてみる。入場ゲート前を通るときに入場門を見る。入場門の屋根部分にはスピーカーがいくつも埋め込まれており[写真④]、エリア全体に非常に大きく楽しげなBGMが流れている。 開園時刻から少し時間が経過していたためか、そこまで盛り上がるような声は聞こえてこない。たまに、「アクアスフィア」付近で歓声をあげる人々を見ることができたが、「アクアスフィア」が発する水の音と大きなBGMによって、そのような歓声や会話もかき消さてしまうほどであった。 このエリアにアトラクションはないが、ミッキーとミニーと「キャラクターグリーティング」[写真②]をするための列があった。この付近では、ゲストを誘導するキャストの声や、ゲストたちが記念写真を撮る「はい、チーズ!」という声、はしゃぐ声や走る足音が聞こえていた。とにかくこのエリアはモニュメントの音とBGMが支配的であったため、それ以外の音は非常に聞きづらかった。 |
エントランスを抜けて、ゲスト全員が通り抜ける必要があるショップ通りへと移動する。エントランスの「キャラクターグリーティング」に並ぶ列からは“ガヤガヤ”というゲストたちの賑わう声や足音が聞こえるのに比べて、ショップ通りに入ると人通りも少なく静かであった。このショップ通りは閉園時刻になるつれ混む場所であり、私たちが調査したのが開園直後であったことも静かである理由のひとつであるだろう。ショップ通りは天上が設置されているため、音がこもり反響しているように聞こえる。また、床の材質がエントランスのものとは異なりでこぼこした石畳だったためか、ものを運搬する台車やベビーカーの“ガタガタガタ”という音[0:07・0:25][写真①②]がよく聞こえた。途中、ショップ通りの入り口に設けられているモミュメント付近で、ゲストたちの「はい、チーズ」という声[0:28]も聞こえた。
ショップ通りは、エントランスと比較してBGMは小さかった。[写真③]この日は風が強かったため、風の抜ける“ゴォーーーーー”という音もよく聞こえた。それに応じるようにゲストたちは「風、つよ」と、風の強さに対して反応していた。途中、ゲストがゴミ箱にゴミを捨てる“ガタン”という音がした。 ショップ通りを抜けると、東京ディズニーシーのシンボルでもある「プロメテウス火山」が眼前にそびえ立つ。「メディテレーニアンハーバー」だ。「メディテレーニアンハーバー」は、南ヨーロッパの古き良き港町をテーマにしている。ここでもまた床の材質が変わり、石畳からコンクリートになっている。 南ヨーロッパ風の軽快なBGMがエリア全体に響いているが、そのBGMに紛れて“カンカンカン、コンコンコン”という音[4:44]がする。その音をたどって、火山を正面にして右に進んでみると、建物の改修工事をしていた。この“カンカンカン、コンコンコン”という音は工事の音[写真④]のようだ。建物には、建物外装のイラストが描かれた半透明の幕がかかっており、ゲストたちに工事現場を直接見せないような工夫をしているのだろうと推測できる。この付近でも、ゲストたちがゴミを捨てる“ガタン”という音や、風の“ゴォーーーーーー”という音がよく聞こえた。 |
調査開始後すぐ、東京ディズニーシーのシンボルである「プロメテウス火山」[写真①]が噴火する“ゴォォォォ”“ドーーーーン”という音[0:00-1:10]が何度も聞こえた。もちろん本当に噴火しているわけではなく、「噴火しているかのような音」を効果音として流しているのだろう。何食わぬ顔で通り過ぎるゲストもいたが、中には「なになになに!?」と火山を見て歓声をあげるゲストや、その大きな音に怯え、泣き出すゲストもいた。また、頭上には飛行機が通り過ぎ、“ゴーーーーーーー”という音が聞こえる。風も相変わらず強いため“ゴォッ、ゴーーーー”という風切音が止まない。途中、ベビーカーの“ガタガタガタ”という音[2:10]、カストーディアルキャストの掃除する“サッサッ”という音[2:20]も聞こえる。
「ヴェネチアン・カーニバル・マーケット」付近の橋[写真②③]に差し掛かったあたりで、蒸気船のアトラクション「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の“ポーーーーー”という汽笛の音[2:58・3:18][写真④]が聞こえた。このアトラクションは、「メディテレーニアンハーバー」から「アメリカンウォーターフロント」を抜け「ロストリバーデルタ」、または「ロストリバーデルタ」から「アラビアンコースト」を通り「メディテレーニアンハーバー」へと移動することが可能であり、各エリアでこのアトラクションの“ポーーーーーーー”という汽笛音を聞くことができる。このエリアはBGMの音が比較的大きく、上記の音とゲストたちの笑い声や足音以外はあまり聞こえなかった。 |
橋を抜け、「リドアイル」という離れ小島のような場所[写真①]に移動した。ここは通り道ではないためか、ゲストは誰もいなかった。BGMを発するスピーカーもないのか、BGMはほとんど聞こえない。橋側に設置されたスピーカーから、BGMがかすかに聞こえる程度である。そのため、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の“ポーーーーーーー”という汽笛音や、火山のふもとにある「フォートレス・エクスプロレーション」から聞こえる“ドーーーン”という大砲の音などがよく聞こえる。「リドアイル」から離れるため、石造りの階段をあがろうとすると、自身の“タッタッ”という足音[2:47]がしてしまう。
「リドアイル」を離れ、通り道である橋に戻ってくると、再び軽快なBGMがよく聞こえるようになる。 最後に、石造りの階段の降り、アトラクション「ヴェネチアン・ゴンドラ」のあるエリア、「パラッツォ・カナル」[写真③]へと移動した。BGMは小さく、強風の影響で「ヴェネチアン・ゴンドラ」が一時運休していたこともあってか、人も少なく閑散としていた。鳥が“ピーピー”と鳴く声や水面の“ぴちゃぴちゃ”という音がする。トイレの横[写真②]を通り過ぎると、ハンドウォシュレットの“シュオーーーーーン”という音がよく聞こえた。この「パラッツォ・カナル」は比較的静かな場所であるためか、ゲストたちの話し声やマップを広げる音、キャストのアナウンスなどがよく聞こえた。 少し離れた場所で、映画「ピノキオ」に登場するファウル・フェローというキャラクターが、ゲストたちと交流する様子[写真④]を見ることができた。ゲストたちのはしゃぐ声と、それに応じるかのようにポーズを決めるフェローの身に着けているマントの“バサッ”という音が聞こえる。 |
「メディテレーニアンハーバー」を時計回りに進み、「アメリカンウォーターフロント」の「ニューヨークエリア」[写真①]へと入る。「アメリカンウォーターフロント」の「ニューヨークエリア」は20世紀初頭のアメリカの街並みを再現しており、BGMもそれに合わせて古き良きアメリカ風の曲を流している。ここの通りはアトラクションもなく、BGMも比較的小さい。ゲストたちは街並みを眺めながら談笑し、通りを進んでいる。BGMが小さいためか、話し声や足音がとてもよく聞こえる。
しばらく進んでいき、「ニューヨーク・デリ」というレストラン[写真②]に近づくほどピアノのBGM[01:05]が大きくなっていく。スピーカーを目にすることはできなかったが、この「ニューヨーク・デリ」のどこかにスピーカーが埋め込まれているのだろう。 「ニューヨーク・デリ」の前を通りすがろうとしたとき、“ベーーオン、ベーーオン”という大きい音[1:23]がした。振り向いて見てみると、「ビッグシティ・ヴィークル」という自動車のアトラクション[写真③]が通っていた。この“ベーーオン、ベーーオン”というのは、このアトラクションの発するクラクションの音らしい。また、ここでも飛行機の“ゴーーーーーー”という音がした。 再び進んでいくと、今度は「ニューヨーク・デリ」のBGMと「ブロードウェイ・ミュージックシアター」[写真④]のBGMが混ざっていく。高架化された「ディズニーシー・エレクトリック・レールウェイ」のレールを越えたあたりからは、「ブロードウェイ・ミュージックシアター」のBGM[2:40]しか聞こえなくなる。通りのすぐ横にはショーを行う場所である「ウォーターフロントパーク」があるが、この時期はショーがやっていないためか、そこから音が発されることはなかった。少しだけ「ウォーターフロントパーク」に足を踏み入れてみたところ、閑散としていて静かな場所だった。また、このエリアは木が多く植えられており、その付近で“ピーピー”という雀の鳴き声がよく聞こえた。 |
2012年夏に新たに導入されたアトラクション「トイ・ストーリー・マニア!」が含まれる、「トイビル・トロリーパーク」[写真①]を調査した。「トイビル・トロリーパーク」に入る前はBGMの音量が比較的小さかったが、入ると愉快なBGMが徐々に大きくなっていく。「トイビル・トロリーパーク」内には撮影スポットと円形のベンチ、アトラクション「トイ・ストーリー・マニア!」、ミニゲームのできる小さな遊戯施設、「スリンキー・ドッグのギフトトロリー」というショップなどが設置されている。
「トイビル・トロリーパーク」に入ると、「リトルグリーまん」というお餅の売られているワゴンに行列ができていた。[写真②]その行列を見ながら「おいしそう」「かわいい」「食べたい」というゲストたちの声が聞こえる。ワゴンでは、販売をするキャストの声や、「リトルグリーまん」をワゴンの中に補充する“ガタガタン”という音が聞こえた。少し歩くと、カストーディアルキャストが掃除をする“サッサッ”という音[1:43]がする。 アトラクション「トイ・ストーリー・マニア!」に行くための、ウッディの顔を模した入口を正面に少し右に進むと、「ブルズアイのカーニバルコラール」という小さな遊戯施設がある。「ブレイジン・バッカルー」という足踏みをすると仕掛けが動くミニゲームや、「ウッディのワンダーワゴン」という、ハンドルをぐるぐるとまわすとショーケースの中の人形が動く筐体が設置されている。それらミニゲームや筐体の発する音、それを楽しむゲストたちの歓声、ミニゲームを楽しむゲストの“バタバタバタ”という足踏みの音[2:26-3:30][写真③]などが響いている。また、調査時は赤い幕がかかっていたが、「トイボックスプレイハウス」ではミスター・ポテトヘッドというキャラクターがゲームをしたりしゃべったり歌を披露したりするそうだ。 「スリンキー・ドッグのギフトトロリー」の付近[写真④]に行くと、売られている銃や剣を模した玩具で遊ぶゲストたちの姿が見受けられる。玩具を手に取り置く“カタッ”という音、玩具のボタンを押すと鳴る“ピロピロピロ”という音、押すと“キュッキュ”っと鳴る人形の音[4:30]などが聞こえた。この「トイビル・トロリーパーク」は古きよきおもちゃの遊園地をテーマにしているらしく、そのテーマ通りに賑やかでポップな音に終始満ち満ちていた。 「トイビル・トロリーパーク」を出ると、BGMはかなり控えめになり、ゲストたちの足音や会話がよく聞こえた。噴水のようなモニュメントから流れる“ジャーーー”という水の音も聞こえた。 |
このエリアでは、「タワー・オブ・テラー」と「ウォーターフロントパーク」の間の通りを調査した。
「タワー・オブ・テラー」の前を歩きはじめると、向かい側から歩いてきたファンカストーディアル[写真①]が私たちの目の前で、運んでいるゴミ箱からアヒルの鳴き声のような音[0:08-0:12]を出してきた。このエリアは人通りが多く、話し声もよく聞こえ賑わっていた。その反面、「タワー・オブ・テラー」[写真②]からエリア全体に流れているBGMはゆったりとした音楽で、あまり大きくは聞こえなかった。 「S.S.コロンビア号」近くに進むと、多くのゲストが集まっていた。これは「テーブル・イズ・ウェイティング」と呼ばれるショー[3:16-4:20]が、「S.S.コロンビア号」目の前のドッグサイドステージにて開演されるからである。 |
このエリアでは、「アメリカンウォーターフロント」の「S.S.コロンビア号」内とその周辺を調査した。
「S.S.コロンビア号」内に入ると、ちょうど「テーブル・イズ・ウェイティング」と呼ばれるショーが外で始まり、そのBGM[0:30-0:50]が聞こえてきた。また、「S.S.コロンビア号」の入り口の階段から船の外装を眺めると船から水が流れ出ている[1:10-1:15][写真①]ことが確認できた。 「S.S.コロンビア号」の内部には天井にスピーカー[写真②]がつけられていて、そこからBGMが流れていた。[1:50-2:00]階段を通じてデッキに出られるようになっていて、そこでは帆をつないでいるロープが風できしむ音と「テーブル・イズ・ウェイティング」[写真③]のBGM[2:50-3:50]が聞こえてきた。 「S.S.コロンビア号」から出ると、「テーブル・イズ・ウェイティング」が終わっていて、それを見ていたゲストたちは「ポートディスカバリー」や「タワー・オブ・テラー」がある方向へ歩いていた。 ※録音ミスがあり、音声が一部途切れている部分があります。ご了承ください。 |
このエリアでは、「アメリカンウォーターフロント」の「S.S.コロンビア号」付近から「ウォーターフロントパーク」あたりまでの通りを調査した。
「ウォーターフロントパーク」の方へ歩きはじめると、正面から「ビッグシティ・ヴィークル」と呼ばれるクラシックカーを模したヴィークル[写真①]が汽笛のようなクラクション[0:37-0:44・1:17-1:19]を鳴らしながら向かってきた。また、すぐ近くには人の乗っていない「ビッグシティ・ヴィークル」が止まっていてエンジンのかかった音[写真②][0:55-1:00]がしていた。このエリアは全体的に落ち着いていて、周りにはブラックペッパー味とコーンポタージュ味のポップコーン売り場が2箇所と「バーナクル・ビルズ」と呼ばれる軽食がとれるワゴンがあるものの特ににぎわっているわけではなく、BGMもあまり聞こえなかった。「リバティ・ランディング・ダイナー」[写真③]の脇にあるデッキの方へ進んでみても聞こえる音はあまりかわらず、微かに流れるBGMと鳥の鳴き声[3:21-3:33]がほとんどだった。 |
このエリアは【エリア5】の裏路地にあたり、「アメリカンウォーターフロント」と「メディテレーニアンハーバー」の間に位置している。この通りの周りには「リバティ・ランディング・ダイナー」や「レストラン櫻」と呼ばれる食事をとるスペースが設けられており、さらにこの通りには線路が敷かれていて、「アメリカンウォーターフロント」と「ポートディスカバリー」間を「ディズニーシー・エレクトリック・レールウェイ」という電動式のトロリーが運行している。
この通りは、全体的に人が多く通るものの、話し声は目立つほど大きくなく、周りから流れてくる落ち着いたBGMが常に聞こえていた。通りの途中にはマンホール[写真①]があり、そこから空気の漏れる音や鳥のような鳴き声[0:58-1:02]が聞こえた。 通りを抜けるとBGMは小さくなり、【エリア11】にあたる「メディテレーニアンハーバー」から「ミステリアスアイランド」を繋ぐ橋の入り口に出てくる。橋の入り口にはキャラメルポップコーンのワゴン[写真②]があり、5メートルほどの行列ができていた。微かにですがスコップでポップコーンをすくう金属音[2:30-2:33]が聞こえてきた。また、その直後の「プロメテウス火山」の噴火する音[2:36-3:28]が大きく響き渡っていた。橋を渡りはじめるとBGM[3:37-03:56]が流れはじめ、そのBGMは橋の端に設置されている屋根のあるスペースから流れていることがわかった。さらに歩き進めるとカストーディアルキャストがゴミ箱のゴミを取り替えていて、入れ替えるためのゴミ袋を広げていた。[4:28-4:30] |
このエリアでは、「メディテレーニアンハーバー」から「ミステリアスアイランド」を繋ぐ橋、さらに「ポートディスカバリー」に差し掛かる道までの範囲を調査した。【エリア10】に続き、橋を渡り始めると、最初に「メディテレーニアンハーバー」の海上から汽笛の音[0:12-0:21]が聞こえた。
橋を渡り進めると、人通りは多くないが、人の歩く音や話し声は常に聞こえていた。また、橋を歩いている途中、ゲストがゴミ箱にゴミを入れる音[0:35]が聞こえた。橋を渡り終え「ミステリアスアイランド」の入り口にたどり着くと、今まで微かにしか聞こえていなかったBGMが大きく聞こえてきた。また、このBGM[1:48-1:55]は橋の横に立てられている柱の上部から流れていることがわかった。 さらに「ミステリアスアイランド」から「ポートディスカバリー」に移動しようすると、鳥が鳴きながら[2:01-2:03]私たちの前を横切っていった。「ポートディスカバリー」に向かっていくと、BGMは小さくなり、人通りも減り静かになっていった。 |
「アーント・ペグズ・ヴィレッジストア」のあたりから、「グリーティングプレイス」の前を経由し、「アメリカンウォーターフロント」の方へと歩いて行く。常にBGMが流れていて、ハーモニカやアコーディオンが使われている音楽[0:14-0:20]が聞こえた。人通りが多く、話し声と足音が常に聞こえていた。特に、「ケープコッドクックオフ」の前ではキャストが次回の公演について大きな声[0:14-0:20]で話していた。[写真①]この声は非常に大きく、しばらく歩いて行っても聞こえていた。[0:28-0:31]
「アメリカンウォーターフロント」へと続く橋のあたりまで来ると、ここで「ケープコッド」のBGMはあまり聞こえなくなった。鳥が鳴く声がしていたが、鳥が飛んでいたのでおそらく本物の鳥の声[1:52-2:01]と思われる。また「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛[2:05-2:07]が聞こえた。そして飛行機が上空を通過する音[2:13-2:33]が聞こえるのと同時に、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛[2:20-2:34]が再び聞こえた。 橋を渡り終えて「アメリカンウォーターフロント」の広場まで来ると、「ケープコッド」とは違う、トランペットとBGMが聞こえるようになっていた。カモメのような鳥の声[3:28-3:36]が聞こえたが、本物の鳥を見つけることはできず、どこからしているかわからなかった。 |
「シーサイドスナック」のあたりから「ケープコッド」の方へ歩いて行き、「ハリケーンポイント・ライトハウス」への階段[写真①]を上がっていった。まばらだが人通りがあり、話し声と足音が常にしていた。階段の前まで来ると、「ケープコッド」の方からBGMが聞こえていた。
階段を上がっていると、階段を駆け上がる人の足音、「ハリケーンポイント・ライトハウス」を携帯電話で撮影[写真②]する音[0:23-0:30]が聞こえてきた。 「ハリケーンポイント・ライトハウス」へ到着すると、周囲の通路を反時計回りに歩いていく。このとき、BGMの音量は大きく聞こえた。多くのゲストが景色を見たり、写真を撮ったりしていた。堤防の側まで来ると、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」[写真③]が通るところで、水面をかき分けて進む音[0:50-1:05]が聞こえた。 |
「ダッフィー」のショップが並ぶ「ケープコッド」では穏やかなBGMがかかっている。ゲストの話し声、子供の泣き声[0:26-0:33]などが聞こえた。車椅子が通ると、“カタカタ”という車輪の音[0:53-0:57]がした。また、突然飛び立ったハトに驚いた私たち調査員の声[0:40-0:48]が入ってしまった。その直後に、同様に突然飛び立ったハトに驚く女子高生の悲鳴[1:01-1:03]が聞こえた。ハトが多いエリアのようだ。ベビーカーの車輪も車椅子と同様に“カタカタ”と音[1:47-1:55]を立てていた。
「ポートディスカバリー」へ続く道はBGMの音が小さく静かで、木が風に揺れる音[2:00-]がした。「ポートディスカバリー」が近くなるとそちらのBGM[2:49-]が聞こえる。「アクアトピア」付近ではヴィークルが立てる水の音や「アクアトピア」のBGM[3:39-4:05]が聞こえた。[写真①] |
ディズニーシーの外部との境目である堤防付近の水辺に面したエリアである。人通りは少ないがBGMの音量が他のエリアに比べ大きかった。スピーカーも各柱についている[写真①]ようで多く感じた。「ストームライダー」の建物から“ゴー”“ジュワーン”といった音[0:15-0:30]が聞こえる。水上を通過する「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」は、汽笛などは鳴らしていないが波音[写真②][1:43-1:53]が聞こえる。
アクアトピア」の近くでは、「アクアトピア」のBGMやヴィークルが立てる波音[写真③][2:05-2:35]が聞こえる。「アクアトピア」の付近の水面では水の中から大きな泡が出る演出がされている場所があり、“ボコボコ”と水の音がする。録音を開始して3分くらいに英語を話すゲストの声が聞こえた。 |
ずっとBGMが流れている。「ミステリアスアイランド」へ続くトンネル[写真①]に近づくと、「ミステリアスアイランド」の方から電車が走るような何かの音が聞こえたが、何の音かは不明である。「ブリーズウェイ・パイツ」の横を通るとキャスト店員がショップの裏にある大きな冷蔵庫を開け閉めする音が聞こえた。[写真②][1:25-1:28]
「ディズニーシー・エレクトリック・レールウェイ」の乗り場から「ポートディスカバリー」の広場へ降りる階段の横に水の流れるオブジェ[写真③]があり、水の音[1:32-2:02]がする。階段の中腹や降りたあたりにスズメが数羽いて、鳴き声[2:04-2:34]が聞こえる。 階段を降り広場に出ると、BGMの音量が大きくなった。ポップコーンワゴンの付近ではポップコーンが“カサカサ”とこすれる音[3:22-3:24]がする。「ストームライダー」の建物からは“ゴー”という飛行機の飛ぶ音に似ているような音が聞こえる。トイレの付近はBGMもやや静かなようだ。子供が「おとーさーん」「トイレー」などと叫んでいた。[4:35] 「ストームライダー」のファストパス売り場はもう本日分が終了し、閑散としていたが、ゲストから何かを聞かれたキャストが説明している声[4:55-4:59]がした。 「ロストリバーデルタ」へ続く道の方は「ポートディスカバリー」のBGMはなく静かで、ロストリバーデルタのBGMである虫や鳥の鳴き声のBGMがかかっていた。BGMも静かで人通りも少ないため、ゲストの話し声がよく聞こえる。木が多いため木が風にそよぐ音がする。「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の“ポーーーーー”という汽笛の音[6:38-6:45]が少し遠くから聞こえた。おそらく「ロストリバーデルタ」にある船着き場で鳴らすものだ。 「ディズニーシー・エレクトリック・レールウェイ」の乗り場付近へ戻ってくると、先ほどと同じBGMが聞こえた。 |
「インディ・ジョーンズアドベンチャー」のピラミッドの前から、喫煙所の方へと向かっていった。最初は人ごみがあったものの、喫煙所に近づくにつれてゲストの人数が減り、話し声も足音もほとんど聞こえなくなった。また「ロストリバーデルタ」は全体的に虫の声や鳥の鳴き声が聞こえていたが、このエリアはBGMも小さく感じられた。喫煙所の近くは全体的に音が小さく、遠くから「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛が聞こえてくる程度だった。
喫煙所のあたりから「スカイウォッチャー・スーベニア」の方向へと歩いて行った。橋のあたりに差し掛かるとゲストの数も増え、話し声と足音が聞こえるようになってきた。橋を渡っていると上空から飛行機の飛ぶ音[2:03-2:28]が聞こえてきた。 橋を渡り終えると、「“サルードス・アミーゴス!”グリーティングドック」の前まで歩いて行き、引き返して「スカイウォッチャー・スーベニア」まで戻ってきた。「ハンガーステージ」あたりまで来ると、ラテン調のBGMが聞こえてくるようになった。それとともに、鳥やカエルの鳴き声のBGMが聞こえてきた。「ハンガーステージ」ではショーの準備をしていたようで、ホールの中の方から機材を準備するような音[写真①][4:48]が少し聞こえた。またホールの前ではキャストがゲストにショーの説明をしていた。[4:50-4:59] 「ハンガーステージ」の向かい、川に近い方を歩くと、再び飛行機が上空を飛ぶ音[5:36-5:52]が聞こえてきた。また、プロペラが回るような”ブロロロロロ”という音[5:47-6:15]がしたが、何の音かはわからなかった。 また、このエリアでは定期的に「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛が聞こえていた。 |
「ロストリバーデルタ」の「ルックアウト・トレーダー」から出発し、「インディ・ジョーンズアドベンチャー」の方向へと向かった。ゲストが大勢歩いていて、常に人の話し声と足音が聞こえていた。「インディ・ジョーンズアドベンチャー」の前にある橋を、「マーメードラグーン」の方向へと渡っていきました。橋に上がる階段[写真①]を上る際、ゲストの足音[0:38-0:50]がよく響いていた。橋に上がると、上空から飛行機の飛ぶ音[0:35-1:08]がした。橋の下には「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」が通っていて、定期的に汽笛が聞こえていた。橋を渡っていくと、対岸からはラテン調の音楽が聞こえてきた。これは「インディ・ジョーンズアドベンチャー」がある岸の方では聞こえなかったものである。
橋は渡りきらずに、「インディ・ジョーンズアドベンチャー」の方の岸へと帰ってくると、再び「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛が聞こえた。そこからミッキー&フレンズ・グリーティングドックの方へと歩いていった。歩いていくと、だんだん人ごみが減っていき、鳥の鳴き声や虫の声がよく聞こえるようになった。おそらくこれらもBGMとしてながされているものと思われる。 「インディ・ジョーンズアドベンチャー」の祭壇の目の前まで歩いて行き、そこから折り返して、再び橋の方へと戻っていった。このとき「インディ・ジョーンズアドベンチャー」がある方の茂みの近くを通った際、鳥の鳴き声や虫の声のBGMがよく聞こえた。「エクスペディション・イート」まで戻ってくると、巨大な移動式ゴミ箱を持ったファンカストーディアル[写真②]がいた。そのゴミ箱からは音が出るようになっていて、”ヒョイ”という、「ロストリバーデルタ」に似つかわしくないような音[4:55]、を出していた。 |
「ロストリバーデルタ」の「ルックアウト・トレーダー」のあたりから出発し、「レイジングスピリッツ」の方向へと向かった。ゲストが大勢歩いていて、常に人の話し声と足音が聞こえていた。それに混じって、アトラクションに乗っているゲストたちの悲鳴が小さく聞こえた。近くには「インディ・ジョーンズアドベンチャー」もあるが、これは屋内のアトラクションなので、悲鳴はおそらく、「レイジングスピリッツ」に搭乗しているゲストのものだと思われる。また「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛の音が定期的に聞こえてくる。
鳥の鳴き声が時折聞こえてきたが、それは本物なのか、BGMとして流しているものなのかわからなかった。この日は風が強かったため、木の葉が揺れる音がよくしていた。「ロストリバーデルタ」は東京ディズニーシーの中でも、ゲストが通る道に木が多く植えてある場所であるため、このような音がよく聞こえたのである。 「レイジングスピリッツ」は屋外のアトラクションであるため、近くまで行くとアトラクションに関する音をたくさん聞くことができた。「レイジングスピリッツ」の前には石造の祭壇[写真①]のような場がある。そこでは水が滝のように流れているため、水の流れる音[1:21-2:05]がしてきました。これに加えて、定期的に水が噴き出すような"ブジャー"という音[2:05-2:13]もしていた。また「レイジングスピリッツ」のヴィークルが通り過ぎる時の車輪の音や、「カンカンカン」という鐘の音がしていた[2:22-2:31]。それに加えてゲストの悲鳴[2:37-2:39]がよく聞こえていた。 「アラビアンコースト」の手前まで歩き、そこから再び「インディ・ジョーンズアドベンチャー」の方向へ、「ルックアウト・トレーダー」まで歩いた。このとき上空から“ゴーーー”という音[2:52-3:15]がしたが、飛行機の音かはよくわからなかった。すれ違うゲストの中には「ロストリバークックハウス」で売られていると思しき「チキンレッグ」を食べているゲストがいて、その包み紙がこすれる音もしていた。 「ロストリバークックハウス」の向かい、川が流れている方には、休憩ができるように机といすが設けられている。ここはゲストの流れから外れたところにあるのですが、ここを通ると虫の音や鳥の鳴き声がよく聞こえていた。おそらくBGMで流していると思われる。 カストーディアルキャストがゴミ箱の扉を閉め、ほうきと塵取りが触れる音がした。[4:15-4:17] |
スタートしたアーケード付近ではBGMがやや大きめにかかっていた。BGMはアラビアンな雰囲気でゆったりしたメロディのもの。人通りは多いが話し声はそこまで大きくなくガヤガヤしたかんじはあまりしない。風が吹くと風で木がそよぐ音がする。録音を始めて2分くらいで飛行機が通過する音がした。
「ジャスミンのフライングカーペット」[写真①]の入り口では係員が待ち時間などの案内[1:56-2:00]をしている。「ジャスミンのフライングカーペット」に近づくと別のBGM[2:03-]が聞こえる。さっきまでのBGMよりもリズミカルである。「ロストリバーデルタ」との境目に近づくと、「レイジングスピリッツ」の滑走音やスモークの音[2:26-2:35]が聞こえる「ロストリバーデルタ」は木が多いエリアのため、風で木がそよぐ音が大きい。 「ジャスミンのフライングカーペット」が動き出すと、BGMと機械が起動する“ガチャン”といった音[3:09-]がする。道の反対側では「キャラクターグリーティング」[写真②]が行われており、「スティッチ」と「エンジェル」と写真を撮るためにゲストの列ができていた。撮影係のキャストが「OKでーす」などと大きな声[3:47]を出している。列に並ぶ人の横を通ったが、話し声はあまり大きくはなかった。 スタート地点のアーケード付近に戻ってくると[写真③]またBGM[4:38-]が大きく聞こえるようになった。このあたりでベビーカーの車輪がカラカラとなる音がした。全体的にアーケードや他のエリアとの境目付近や、アトラクションの付近ではBGMが大きかった。 |
「アラビアンコースト」側
BGMは【エリア20】のアーケード付近のものと同じアラビアンなメロディのもの。「デイジー」の「キャラクターグリーティング」[写真①]が行われておりキャストの声がした。「デイジーとのキャラクターグリーティングでーす」[0:04-0:06]という案内や、「前の方と間隔を空けずにお並びくださーい」[0:30-0:40]といった列整理の案内を行っている。撮影するカメラのシャッター音も聞こえた。 また鳥の鳴き声も聞こえた。鳥の姿は見ていないがおそらく実物の鳥が鳴いた声[2:13-2:25]である。 水上を「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」が通過したが、汽笛を鳴らすなどの音はたてず静かに通過していった。[写真②] |
「マーメードラグーン」側
ずっとBGMが流れている。録音を始めた直後に子供の泣き声[0:03-0:20]がした。ところどころに木が植えられており[写真③]、木が風にそよぐ音もした。「フランダーのフライングフィッシュコースター」[写真④]の真横を通ったため、コースターが走る音とコースターに搭乗したゲストの叫び声がする。[1:33-1:48]コースターの入り口ではキャストが案内する声[2:22-2:28]が聞こえた。人通りが多いためゲストの足音がよく聞こえる。 |
このエリアでは、「ロストリバーデルタ」から「マーメードラグーン」までを往復するルートで調査した。調査を開始して地点では、木琴楽器を鳴らした陽気なBGM[0:00-1:04]が鳴り響いていた。調査を進めていくと、それまで鳴り響いていた木琴楽器のようなBGMは、ふと消え、次の瞬間に別のBGM[1:04-3:42]に違和感なくすり替わっていた。途中、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」乗船口に立つキャストが乗車時間の案内[1:39]をしていた。
「マーメードラグーン」手前まで来ると一度Uターンをし、来た道を戻ることにした。そのとき、赤ん坊の泣き声[2:17]がした。その子の父親とおぼしき人物が母親とおぼしき人物に話しかけていた。その内容を聞くと、どうやら転んで地面に顔をぶつけて泣いてしまったようだ。 そして、そのすぐそばで、“バンッ”という音[2:24]がした。カストーディアルキャストがゴミ箱の中身を取り替えていた。音の正体は、ゴミを取り替える際にゴミ箱の扉を開閉する音である。 そこから進んでいき、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の乗船口を過ぎると、ディズニーアニメ『ラテン・アメリカの旅』(1943年公開)や『三人の騎士』(1945年公開)に登場する「ホセ」と「パンチート」の「キャラクターグリーティング」が行われていた。「私、ホセも写真撮りたい」と話すゲストや「よければ、前までどうぞー」とゲストを促すキャストの声[3:25-3:40]がした。 その直後、子どもの叫ぶ声[3:40]が聞こえた。そしてその叫ぶ声に混じって、すぐそばのドリンクワゴンからお金の“ジャラジャラ”という音[3:44]が聞こえた。そして、さらにこのときまたBGM[3:42-]が違和感なく変わった。弦楽器を弾き鳴らすような曲調のBGMである。 このエリアのBGMは主に、木製の電信柱に取り付けられ古びた変圧器を模したスピーカー[写真①]と人が立ち入ることができない廃れた小屋の中の上部に置かれた木箱型スピーカー[写真②]から鳴り響いており、それらは等間隔に設置されていることを発見した。 |
このエリアでは、「アラビアンコースト」内の「アブーズ・バザール」がある広場を噴水付近から反時計回りに一周した。このエリアで聞こえた音は、写真を撮ってもらった際の挨拶、子供の鳴き声、ツアーでキャストが説明をしている声[3:34]、女の子たちがショップに寄ろうとしている声、カストーディアルキャストがほうきとちりとりで床をはく音[写真①][3:59]、ゴミ箱を閉める音[4:20]、ベビーカーの車輪の音[4:16-4:19]だった。「アブーズ・バザール」の前は賑わっており、子供の声がよく聴こえた。また、広場の中心はBGMの音量が特に大きく聴こえた。一方で端の方は中心より静かであり、窓から鍋がぶつかるような台所の音をイメージしていると思われる音[写真②]が聞こえた。
※録音ミスがあり、音声が一部途切れている部分があります。ご了承ください。 |
ここでは「マーメードラグーン」の橋から「アラビアンコート」内の「キャラバンカルーセル」などがある広場までを歩いた。「マーメードラグーン」から橋を渡ったところまでは、BGM、話し声、足音、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」が水を切る音[0:08-0:14]、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛の音[2:06]、滝の水が流れる音、木の葉が風で揺れる音、写真のシャッター音、ベビーカーの車輪の音[2:25]が聞こえた。橋の上では床材が石畳だったので、足音が響いていた。しかし、橋を渡ったあとは床材がコンクリートだったために足音は響いていなかった。「アラビアンコースト」に入口となる階段があるところでは、BGM、話し声、足音、飲み物を売るワゴンの扉を閉める音[2:30]が聞こえた。
BGM[1:09-]は門に入ろうとしたときから聞こえるようになっていた。ほぼ、床材の変わり目と同時だったと思う。床材は石畳で、階段では特に足音が響いていた。「アラビアンコースト」に入ってからは広場を時計回りに1周した。ここでは、BGM、足音、話し声、アトラクションのアナウンス[1:57]、ベビーカーの車輪音[3:29-3:38]、鳥の鳴き声、木の葉が風で揺れる音、カストーディアルキャストがほうきとちりとりで床をはく音[4:22-4:40]、キャストの挨拶する声が聞こえた。 「キャラバンカルーセル」のBGMは広場全体には響いていなかった。「キャラバンカルーセル」のBGMは、この広場全体を覆っているテーマのローテンポの曲の伴奏をしているように感じ、音に関連性があると思われた。鳥の鳴き声のような音は、「マジックランプシアター」前にいるときに聞こえたのだが、「キャラバンカルーセル」付近に設置されているトイレの方向から聞こえた。 また、東京ディズニーシーで貸出しているベビーカー[写真①]の車輪の音はゲストが持参しているものに比べて音が大きいように感じられた。 |
実地の下見による結果、調査を行う予定のエリアは関係者専用施設のため入ることができませんでした。そのため調査対象から除外しています。 |
このエリアでは、「マーメードラグーン」の建物[写真①]から「シータートル・スーヴェニア」の前を通って「アラビアンコースト」にある「キャラバンカルーセル」の付近のトイレがある屏まで調査を行った。このエリアでずっと聞こえていた音は、ゲストの足音とBGMだ。「マーメードラグーン」の建物の前では写真を撮っているゲストの会話が多かった。橋の上ではベビーカーが2台通り過ぎたため、車輪の音[1:42-1:49・2:28]がその都度聞こえた。また、「アリエルのグリーティンググロット」の前ではこの施設の説明をするキャストの声[2:35-2:51]が聞こえた。
また、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の汽笛の音[3:10]が聞こえた。「グロットフォト&ギフト」前でも商品を渡すキャストの声[3:27]が聞こえた。その後の通路では、「スカットルのスクーター」のアナウンス[4:53]が聞こえた。鳥の“ピー”や“ピッピッピッ”という鳴き声が聞こえた。ところどころで風が吹くと木の葉が揺れて音がしていた。このエリア内では同じBGMが流れており、それは短調に同じリズムが繰り返されているのではなく、曲に始まりと終わりがあり、盛り上がるクライマックスのような部分もあった。[写真②] |
「ミステリアスアイランド」の「ノーチラスギフト」から出発し、「餃子ドッグ」で有名な「リフレッシュメント・ステーション」を通り、「マーメードラグーン」に行くまでルート、そして「ノーチラスギフト」に戻るまでのルートを調査した。
調査を開始すると海を想起させる潮の音を模したBGM[0:00-]がエリア全体に鳴り響いていた。このBGMの音源の場所は特定することができなかったが、BGMは常に「ミステリアスアイランド」をぐるりと囲む「プロメテウス火山」の岩壁の中から聞こえてくるように感じた。[写真①]岩壁に沿って歩いて行くと、途中で「ノーチラスギャレー」というレストランの入り口の前を通りかかった。「ノーチラスギャレー」の入り口は洞窟を模したつくりになっており、そこからは洞窟であることを演出するかのように“コオオオオ”という風が吹き抜けるような音[写真②][0:50-1:02]がしていた。その入り口のすぐ横では水が流れていた。[写真③][1:03] 「リフレッッシュメント・ステーション」の「餃子ドッグ」を買い求めるゲストの行列を通り過ぎると辺り一体は自然の水の音[2:20-]が鳴り響きはじめた。「マーメードラグーン」の手前まで向かうとその音はどんどん大きくなっていった。その音の正体は勢いよく水が流れる滝[写真④][2:35]である。この滝からの音が鳴り響いていたのである。そして、その滝には虹がかかっており、多くのゲストが「虹だ!」と叫び、写真を撮っていた。 出発地点に戻る途中、「リフレッシュメント・ステーション」の横にある巨大な水門の上部から海鳥の鳴き声[3:42]がした。海にいる雰囲気が味わうことができる場所であるだろう。 前半では人口の自然環境音、後半では本物の水という自然環境音を聞くことができた。それらの音は、ゲストの会話内容を聞き取ることができないほどの音量であった。 定期的に「トランジットスチーマーライン」の汽笛の音[0:38][3:16][3:53]が聞こえた。 |
「ミステリアスアイランド」から「ポートディスカバリー」まで向かう洞窟[写真①]のなかを調査した。ここでは、風の音のBGMが聞こえた。今回の調査時には、「センターオブジアース」が運休していた。そのため「センターオブジアース」が運行している時と比べると静かなのだろうと思った。そのためにゲストの足音が常に聞こえた。また、ベビーカーが通りかかったときには車輪の音[0:25-0:28]が聞こえた。また、“キーーー”という金属がこすれるような音[2:15-2:17]が聞こえた。子どもが走る足音や、金属音や電波を受信しているようなBGM[3:40-4:30]も聞こえた。スピーカーが通気口[写真②]に見えるようについていた。 |
「プロメテウス火山」の麓にあるアトラクション「フォートレス・エクスプロレーション」を中心に調査を行った。「フォートレス・エクスプロレーション」は要塞をコンセプトにしており、要塞内には見たり、触ったりすることができるさまざまな展示物があり、「ザ・レオナルドチャレンジ」という探検型のアトラクションもある。そのほかにも「ルネサンス号」というガレオン船が停泊している、要塞全体が巨大なひとつにアトラクションになっている。そのためこのエリアにはたくさんの高低差があり、ゲストが通ることできる道はどこも複雑に入り組んでいることが特徴的である。
要塞に入ると行進曲のようなBGM[0:00-]が出迎えてくれる。BGMの音源は街灯の先に取り付けられた長方形の箱型のスピーカー[写真①]である。そして、その先に進み要塞を出ると、“ザアアア”と勢いよく流れる水の音[1:27]がする。「プロメテウス火山」から流れでいる滝[写真②]である。この滝の音によりBGMは一度中断される。 そして滝を過ぎると、またBGM[1:44-]が再開する。進むと左手ガレオン船の「ルネサンス号」が現れる。「ルネサンス号」の甲板には大砲[写真③]が取り付けられている。その大砲は紐を引っ張ると点火され“ドーン”と大きな音[3:49]を立て砲弾が発射される。もちろんこれは本当に砲弾が発射されているわけではなく、砲弾が発射される音がしているだけである。そして、この大砲はときどき不発になるときがあり、ゲストが「ぜんぶ不発だったし」と楽しそうに話していた。[3:59] |
「メディテレーニアンハーバー」から始まり、「プロメテウス火山」の中を抜け、「ミステリアスアイランド」へ至るまでの道のりを調査した。このエリアで調査した「メディテレーニアンハーバー」は、すぐに「ミステリアスアイランド」へつながる道の途中であった。BGMの音量は【エリア31】や【エリア32】の「メディテレーニアンハーバー」よりも小さかった。陽気なBGM[0:00-1:17]が流れる中、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の“ポーーー”という汽笛[0:56・1:11・1:27]が聞こえた。
「メディテレーニアンハーバー」をしばらく進むと、「ミステリアスアイランド」に行くための「プロメテウス火山」の洞窟[写真①]の中へ入る。洞窟内は風が通り向ける“コオオオオ”という音[1:18-1:43]がしており、「メディテレーニアンハーバー」で聞こえていた陽気なBGMは消えてしまった。そして、さらに地面も「メディテレーニアンハーバー」とは異なっており、足音が洞窟内によく響くような地材[写真②]でつくられていた。これにより、より洞窟の中にいる雰囲気を醸し出していたと思う。 洞窟を抜けると、そこは「ミステリアスイランド」である。ここでは、エリア全体に潮が打ち付けるBGM[1:44-]が流れ続けていた。その音の合間には定期的に海鳥の鳴き声が聞こえ、海がすぐそばにあるような雰囲気を出している。 調査の終盤、「ノーチラス号へ乗船のみなさん…」というアナウンス[4:02-4:10]が流れた。ネモ船長のノーチラス号へ乗船する人たちのためのアナウンスだろう。しかし、実際にノーチラス号に乗船できるわけではない。「ミステリアスアイランド」という世界観を演出する得るための仕掛けのひとつなのであろうと考えられる。 |
このエリアではぐるりと右回りに回った。調査前半は、メインの通りから逸れたわき道からはじまった。わき道に入ると、メイン通りで鳴り響いていた大音量のBGMは一気に静かになり、人通りも少なくなった。この脇道では建物の修繕であると思われる工事をしていて足場の鉄骨がむき出しで、さらに“カンカン”“バンバン”という金属同士がぶつかり合う音[0:19-0:24]やボルトを機械で締めるような工事音[0:49]が聞こえた。
脇道を出るともとのメイン通りへ戻ってきた。メイン通りの戻ってきて一番初めに耳に飛び込んできたのは“ザーーー”という水が流れる音と“チュンチュン”という鳥のさえずる鳴き声[2:38-2:46]が聞こえた。これは草むらの中に隠され、設置されたスピーカー[写真①]から聞こえた。自然を演出するための音だろう。この鳥の鳴く音は他の場所でもいくつか確認することができた。 メイン通りを進むと橋を渡る。その手前でポップコーンを販売するワゴンがあり、そこから“ピッピッ”と、機械音[3:06]がした。橋の中盤に差し掛かるとBGM[3:20]が若干大きくなった。この橋は「メディテレーニアンハーバー」を見渡すことができる一方、その反対側には高い壁がそびえている。その壁の奥、目には見えないところから音が発せられていた。 橋の上でUターンをし、出発した地点へ戻る。戻る過程でBGMを発する岩[写真②]を発見した。チューリップ畑の中に設置してあるその岩から非常に大きいBGM[5:08]が発せられていた。 その途中、“ガッシャン”というベビーカーを持ち上げて下ろしたときに発せられる音[4:46]が聞こえた。 そして調査終了間際に「プロメテウス火山」が噴火する前兆[写真③]で、“ゴーーー”という音[5:47-]がしていた。 |
「メディテレーニアンハーバー」を調査。このエリアでは、常にイタリア風のBGM[0:00-]が流れていた。BGMの音量は非常に大きく、このエリアのどこにいても一定の音量で鳴り響いていた。BGMは海側に設置された街灯の先に取り付けられた長方形のスピーカーと、その反対側にある建物の雨戸の中から聞こえた。街灯のスピーカーは、ランプがふたつ吊るされている形のもので、その先端に長方形の箱のようなものが取り付けてある。[写真①]その箱の中にスピーカーが隠されており、そこからBGMが出て仕組みになっている。建物の雨戸のスピーカーは、木で出来た雨戸だが、その中にスピーカーが隠されている。[写真②]スピーカーがない他の雨戸はどれも開いており、その中の窓もしっかりと見ることができる。
このエリアは普段、「メディテレーニアンハーバー」の海を一望できるようになっているのだが、調査を行った日は工事(なにが目的の工事かはわからない)をしており、海岸沿いをぐるりと囲んだ2mほどあるであろう壁[写真③]が設置していた。「壁」の中でなにが行われているのかはわからなかったが、もし中で工事が行われていて、その工事音が聞こえてこなかったのは、それほどBGMの音量が大きかったということではないかと推測できる。 また、このエリアは海を挟んで反対側に「アメリカンウォーターフロント」があるのだが、その「アメリカンウォーターフロント」からの音がまったく聞こえなかった。もちろん単純に距離が離れているということもあると思うが、一切音が聞こえなかったのは不思議に感じた。 それ以外には遠くから「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」の“ポーーー”という汽笛音が聞こえた。 |
「ディズニーシー音マップ」のフィールドワーク全体を通して、東京ディズニーシーは音の強弱が徹底されているように感じた。アトラクションが集中するエリアやゲストが多く往来する道や建物付近では、BGMが比較的に大きく感じられた。例えば、「マーメードラグーン」や「アラビアンコースト」では、たくさんのゲストが往来して、集まっていた。これらのエリアではBGMも比較的大きく、どこの場所にいても同じ音が一定の音量で聞くことができた。
また、その一方で、「ケープコット」から「ポートディスカバリー」に向かうための道や「メディテレーニアンハーバー」のゲストがあまり立ち入らないわき道などでは、BGMがとても小さく感じられた。そして、中には「ロストリバーデルタ」の片隅に設置されている喫煙所といった場所のように、東京ディズニーシーが提供するBGMや環境音は皆無という場所まで存在した。静かな場所では、“ガガガガ”という工事音がよく聞き取ることができ、「外部の音」を容易に発見することができた。 これらをふまえて、特にBGMや環境音の音量が大きい場所は、東京ディズニーシーがゲストに聞かせたくない音があり、それらを隠すためにわざと大きな音を出しているのではないかと推測を立てることができた。その例として、まず、「ミステリアスアイランド」と「マーメードラグーン」の境界があげられる。この境界は洞窟になっており、ゲストはこの洞窟を通り「ミステリアスアイランド」と「マーメードラグーン」を行き来する。その洞窟のそばには勢いよく水が流れる滝が設置してある。この滝から発せられる音は、ゲスト同士の会話が困難なほどの音量である。 そうまでしてなぜ音を大きくする必要があるのか。それはこの洞窟の真上に「道路」があるからではないかと考えられる。この「道路」は、いわば東京ディズニーシーの“裏側”である。私たちゲストが園内から絶対に確認することはできない。この「道路」のことは、東京ディズニーシーの地図にグリッド線を引いているときに気がついたことである。「ミステリアスアイランド」と「マーメードラグーン」の境界にトラックが往復することができるほどの「道路」があるのだ。この「道路」を往来するトラックなどの車両からの騒音を掻き消すために、あえて会話が困難になるほどの音量が大きい滝を設置したのではないかと考えた。 また、別の場所でも、「ポートディスカバリー」のアトラクション「アクアトピア」の搭乗口付近はBGMが非常に大きく、奥の水門からは大量の水が噴き出しており、全体的に他のエリアよりも音量が大きくなっている。これは、水門の向こう側に東京ディズニーリゾートの外周路があるからと考えられる。外周路を走る車の騒音を打ち消すために、大きな音が用いられているのだろうと推測できる。 このことは、音環境計画において「背景音づくり」にあたる。「背景音づくり」とは、耳障りと感じられる台車からの騒音を抑えるためにゴムチューブタイヤを使用しているという例があげられる。これは『臨界テーマーパークにおける音環境計画のケーススタディ』(サウンドスケープ協会誌、2008)に掲載されている。つまり、東京ディズニーシーにおける滝の設置や水門の設置はゲストに聞かせたくない音を消すための「背景音づくり」の一環だろうと推測することができるのではないだろうか。このことはあくまで私たちの推測にすぎないが、今回の調査を通して得ることができた大きな発見ではないかと思う。 今回の調査は、前回行った「東京ディズニーランド音マップ」の反省点を多く改善することができたと思う。調査エリアをグリッド線に分けることで、前回の「東京ディズニーランド音マップ」において大きな反省点であった恣意的に調査してしまうことがなくなった。また、調査エリアと調査時間を大幅に削減することができたおかげで集中力を切らすことなく、快適に調査を行うことができた。 しかし、その一方でまた新たな課題も見つかった。それは、グリッド線で調査エリアを分けることで、地図を読むことが難しくなることである。そのため、グリッド線で分けた地図と実際に調査した場所がずれてしまうことがあった。その結果、地図が読める人間と読めない人間で力の差が大きく出てしまった。この点は反省するべき点である。 2014年度長谷川ゼミによる「音マップ」調査はこれでひと段落するが、夏と冬、2回のフィールドワークを通して試行錯誤の繰り返しであった。ここでの経験をフィールドワークという形にだけに留めず、これからなにかのために活かしていければと思う。 |